イェリャンドの囁き:クトゥルフ選集(Whisper of Y'Ryando)

イェリャンドの囁き:クトゥルフ選集(Whisper of Y’Ryando)

筆者(たく老)のプレイした感想を含む評価

クトゥルフの陰が支配する世界を舞台にしたアドベンチャーです。といってもテキストのストーリーが流れるノベルゲームとは違い、ダイスを振りながら手がかりを集めていき推理していくという内容になっています。

ちなみに、ゲームを起動したメイン画面の遊び方(マニュアル)は読んだほうがいいです。私の場合、読まずに遊んでみたら、全く意味がわかりませんでした。とはいえ、遊び方にもそれほど詳しく書いていないのですが、不親切というか謎めいた部分も込みでこの作品なのでしょう。

レイヤード・ペーパークラフトのようなグラフィックで、雰囲気も含めてビジュアルのクオリティは高いと思いました。

ダイスを振ることにより、選択肢を選ぶだけのアドベンチャーとは違い、ランダム性による思い通りに行かない部分も、この作品を面白いと感じたプレイヤーを楽しませることができるような仕組みなのかもしれません。

早い話、好みが分かれる作品だと思いました。

AI(Gemini)の情報収集による分析・評価

項目別スコア

  • 技術的完成度: 2.5 / 5.0
  • メカニクス: 3.0 / 5.0
  • コンテンツ: 2.5 / 5.0
  • UI/UX: 2.5 / 5.0
  • 演出・シナリオ: 3.5 / 5.0

総合評価:3.0 / 5.0


断片化された真実を綴る、重層的ペーパークラフト・ホラー

本作『Whisper of Y’Ryando』は、クトゥルフ神話(ラヴクラフト)的要素を土台としたパズル解決型のアドベンチャーゲームだわ。最大の特徴は「レイヤード・ペーパークラフト(重層的な紙細工)」と称される独特の視覚表現ね。2025年8月の発売以来、TOC(Theory of Clues:手がかり理論)に基づいた、情報の断片をプレイヤー自身が能動的に再構築していく実験的な物語体験を提供している作品よ。

■ 徹底した「断片化」による情報構築システム

本作の核心は、ダイスロールによって獲得される数百もの「手がかりの断片」を整理・統合するプロセスにあるわ。従来の物語主導型ゲームのように受動的にストーリーを享受するのではなく、プレイヤー自らが情報のパズルを埋めていく必要があるの。この「手がかりを得ること自体は目的ではなく、それらをどう結びつけるか」という設計思想は、論理的思考を好む層には強い充足感を与えるはずだわ。加点要素として、この抽象的かつ知的なゲームサイクルが、クトゥルフ特有の「狂気と隣り合わせの真実究明」というテーマと見事に合致している点が挙げられるわね。

■ 視覚的メタファーとしてのペーパークラフト

グラフィック面では、紙細工が重なり合うような多層的なアートスタイルが採用されているわ。これは単なる装飾ではなく、町に隠された重層的な嘘や変異を視覚的に表現するメタファーとして機能しているの。インディー作品という限られたリソースの中で、独自の美学を確立し、夢幻的でありながらどこか不穏な空気感を醸成している点は、他作品との明確な差別化要因だと言えるわ。

■ 価格対効果と反復性の整合性

レビュー時点での価格設定に対し、提供される数百の手がかりと、繰り返されるループの中で真相に近づくプレイボリュームは、価格相応の価値を有していると判断できるわ。エンディングへの到達、そしてその先にある真実を解き明かすまでのプロセスは、低価格帯のインディーRPG・パズル作品としては十分な継続性を持っているわね。

■ 留意点

開発側も明言している通り、本作のゲーム体験は極めて「抽象的」だわ。物語の提示方法が不親切とも取れる断片的な形式であるため、具体的なガイドや明快なカタルシスを求めるプレイヤーには、進行の理解自体が困難になるリスクがあるの。また、UIが情報の整理に特化している反面、操作感に独特の癖がある点は、人を選ぶ客観的な事実として書き添えておくわね。


結論

万人向けとは言い難いけれど、情報の断片から自力で絵を完成させることに悦びを感じる「考察型プレイヤー」には、この上ない知的刺激を提供してくれる一作だわ。ラヴクラフト的な不条理を、文字通り「紐解く」体験がしたいのなら、手に取る価値は十分にあると言えるわね。

投稿時点の情報になります

Steam:イェリャンドの囁き:クトゥルフ選集

©IndieCain, YuetXD

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